骨粗しょう症は『骨の強度の低下により骨折の危険性が高くなった状態』です。骨折しやすくなるのは、骨の量が減り骨の質が悪くなるためです。糖尿病、腎臓病や関節リウマチの方、ステロイド剤を使っている方などは骨粗しょう症になりやすいといわれています。この骨粗しょう症ですが自覚症状がないため、骨折して検査をしてはじめて骨粗しょう症だと知らされることもあるのです。
海外のデータでは、50歳以上の女性の3人に1人、男性の5人に1人が骨粗しょう症が原因で骨折するそうです。特に女性に多いのは、閉経後に女性ホルモンが減ることで、骨の新陳代謝のバランスが崩れ骨量が急激に低下することが原因です。
骨折!ともなると私たち整骨院でも力を発揮するとこができるのですが、骨粗しょう症の治療となるとやはり治療薬が第一選択になります。治療薬は大きく分けて、骨を壊す(吸収する)破骨細胞の働きを弱める作用を持つものと、骨を作る骨芽細胞を活性化させる作用を持つものとに分けられます。これにより骨の新陳代謝のバランスを回復させることができます。
このような治療薬だけでは実は不十分で、これらの治療薬は『カルシウム』やカルシウムの代謝調節をする『ビタミンD』が足りていないと十分効果が発揮できないので、このビタミンDを意識的に補う必要があります。ビタミンDは白身魚や干ししいたけなどに含まれていますが、9割以上は日光を浴びることによって皮膚で作られます。肌に日焼け止めを塗った場合やガラス越しの日光では効果が小さく、日本人では半数以上の人が足りていないことが知られています。
骨折の部位別に見てみると特に多くて問題とされるのが背骨(椎体)と股関節(大腿骨)の骨折です。背骨が折れて(つぶれて)背中が曲がると、内臓が圧迫され消化器に異常が出る他、心肺機能も低下します。
しかしながら背骨が折れた人の3人に2人は、なぜか痛みが出ません。(腰痛程度と勘違いされることもあります。)身長の低下は背骨が折れたサインかもしれません。身長が若いころより2センチ以上の低下がみられるような場合は、お近くのかかりつけの先生(病院でも私たち整骨院でも)に一度診てもらってください。
股関節についても、高齢の方で寝たきりになる主な原因はこの股関節の骨折だといわれています。
このように骨粗しょう症だけでも怖い病気なのですが、骨折をしてしまうと大変なことになってしまうのです。健康寿命を少しでも延ばして幸せな時間を増やすためにも、骨粗しょう症の予防、治療は大切です。
幸せな時間を増やすお手伝いを少しでも私たち整骨院もできればと思います。
天神整骨院 植村
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